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2007.10.08
町屋(まちや);都電荒川線に乗って
アクセス;
JR京浜東北線―王子駅、都電荒川線―町屋駅、三ノ輪橋駅
カメラ
Ricoh CAPLIO GX-100 24-72mm F2.4
(画像添付時に約30%に圧縮)
9月から連続している3連休、今回でしばらく暦から連休はなくなるが、小雨交じりではあるが連休の最終日に出掛けることにした。ここのところ子供とはよく出掛けているが、家人とは外食程度で、家族そろってでは出掛けていなかったのだ。
大分前に購入した「散歩の達人」の「都電荒川(とでん・あらかわせん)線特集号」を見ていたら、なんだか気になる店がいろいろ掲載されていた。
都電荒川線
の終点の三ノ輪橋(みのわばし)までいくと「ジョイフル三ノ輪」というアーケードの商店街があり、その商店街の店舗一覧が出ているいるのだ。アーケードなら、雨の心配も無く、楽しく食べ歩きの散歩が出来そうだ。
もちろん、終点だけでなく荒川線を途中下車しつつ、沿線の気になる店々にも寄りながら、半日散歩が出来そうだ。
都電荒川線への乗り換え駅、王子にて
最初の目的地 <平澤かまぼこ>のおでん
あいにくと月曜日は雨だ。
さほどひどい降りではなく、
小雨なのでがんばって出掛けてみた。
最初の目的地は、王子(おうじ)駅だ。桜や紫陽花の名所の「飛鳥山(あすかやま)
(2008.02.11 「飛鳥山から旧古河庭園へ(王子、上中里)」)
」があり、この駅も花の季節には良くお世話になっている。
駅からは、王子神社や王子稲荷
(2008.03.15 「江戸の情緒(谷中、王子)」)
側に向かう改札を出て、音無(おとなし)川沿いの遊歩道(音無親水公園)にいくつかの飲み屋さんが連なるご機嫌な通りがある。
その通りの始まりにあるのが、目指す「平澤かまぼこ」店だ。 店の間口は2間も無い程で、店の奥から続く長いカウンターでの立ち飲みスタイルで、横丁の飲み屋といった雰囲気のお店だ。おでん種や蒲鉾の製造・販売店の直営とのことで、おいしい「おでん」が名物だ。
カウンターだけなので、大人6人程が入れば、もう一杯になってしまう。綺麗とはいえない店内(すみません)だが、アットホームな独特の味があり、入ってしまえば結構落ち着いてしまう。
このしっくり来る感じは、やさしい気配りのある店主さんの存在が大きいのだと思う。
店内は立ち飲みで、
6人程度でいっぱいになってしまう。
食べたおでんのあまりの美味しさに、私は堪らずに「北区の地酒、丸真正宗」を一合、ぬる燗でお願いした。
「大根は半分だけだぞ」とか「さつま揚げは食べないで」などとがやがややっているうちに、子供が「ウインナーがあれば美味しいよね」と小声で話していたら、カウンターに居た店主さんが店先のおでん鍋に向かって何かをし始めた。鍋から店内のこちら側に振り向くと手には串に刺したウインナーが2本、笑顔と共に「さあ、お食べ」と差し出されたのだ。
こうした「気配りのご馳走」は、当節なかなか頂けない。しっかり気持ちを受け止めたのであった。荒川線での食べ歩きを終えて帰りに「持ち帰り」しようと思い再度お邪魔した。おでんを丁寧に袋詰めしてもらっての帰り際、今度はつみれ串を「ほら、これ食べていきな」とさし出された。子供はお腹一杯だからと固辞してしまったが、電車で帰る間に食べたいのを我慢させてはと、気を使って頂いたのであった。
都電荒川線は都内最後の路面電車で「早稲田(わせだ)」から「大塚(おおつか)」「王子(おうじ)」と走り、「三ノ輪橋(みのわばし)」までを結んでいる。
途中に鬼子母神(きしぼじん)やとげ抜き地蔵で有名な巣鴨、荒川遊園地などがあり、普段はまったくの生活路線だが、土日の日中は年配の散歩客などで大分混雑する。特に庚申塚(こうしんつか)や巣鴨(すがも)は休日の4時位までは大変な混雑となる。
荒川線は都営で、乗車運賃は一回一律160円だが、乗り降り自由の一日乗車券が用意されている。このフリー乗車券は400円なので3回以上乗り降りするのであれば、かなりお得になる計算だ。
今回は、王子駅で一日乗車券を買い、そこから荒川線へ乗って三ノ輪橋(みのわばし)へ向かうことにする。
今日の最初の途中下車は、「
あらかわ遊園
」だ。
メリーゴーランドや小さな汽車、コーヒーカップや観覧車など、懐かしい乗り物がいっぱいの公園だ。浅草の「花やしき
(2006.07.02 「浅草、ぶらり散歩」)
」と雰囲気や規模が似ているが、こちらは区立の施設なので入園料は大人200円子供100円の、(他の遊園地とは)比較にならない低料金だ。
残念ながら今日は雨なので、公園へは行かずに駅前の商店街の気になる店を探検することにした。
まずは、「あだちや」さんで駄菓子を買い込むことにする。先日の川越菓子屋横丁
(2007.08.14 「菓子屋横丁」)
と同じく、一人300円の予算で「がっちり買いましょう♪」だ。
駄菓子屋さんには、
懐かしいお菓子がいっぱいだ。
たこ焼きがえびせんにサンドされている。
縁日では、
このエビせんにたっぷり塗ったソースだけで、
よろこんで食べたていた記憶がある。
駄菓子屋さんで何を買おうかと悩んでいる間に家人がいなくなり、笑いながら戻ってきたら、手にした袋からいい匂いが溢れてきた。取り出したのは、「えびせんべいにサンドされたタコ焼き」であった。
駄菓子屋さんの横道を奥に入っていくと「ふく扇」という名のたこ焼き屋さんがあり、こちらも人気の店らしい。たこ焼き自体もかなり安い(14個400円)が、「たこせん」はわずか100円。「たこ」焼きに「えび」せんだが、かつをぶしとソースの旨みが加わって、中々の味であった。(たこ焼きの場合、少量では奪い合いになるので、ひとり1枚づつである)
「こどもの家 きくや」さんの
絶妙な「切イカもんじゃ」
私は、もんじゃ焼きの経験がなく、
正式な「もんじゃ」屋さんに入るのは
これが初めてだ。
荒川区には70軒のもんじゃ焼き屋があるとの事。
月島(つきしま)とは一味違った本当の下町の味が楽しめる。
写真は、「切イカもんじゃ」を作るところ。
まずは、じっと辛抱して<色が変わってくる>まで待つ。
この「待ち」が、その後の明暗を分けることになる。
固めながら<どて>を作っていく。
あまりかき混ぜると「ペトペト」して
おいしくなくなるらしいので注意すること。
駄菓子のあとは、「こどもの家 きくや」さんで
もんじゃ焼き
を愉しむことにする。
子供の頃は、大きな鉄板に幾人もで取り付いて、味噌汁椀に溶いた小麦粉だけで作る「じじ焼き」というのをよく食べた。 せんべいのように固く焼き上げるか、別に買ったチビちゃんラーメン(今の「ベビー・スターラーメン」)を砕いて入れるかが、その料理法だ。キャベツやしょうがなどは入っていなかったと思う。
よく行っていたのは、大きな石釜の壷が店先に置かれた「壷焼き」という焼き芋を呼び物とする駄菓子屋さんだったが、焼き芋よりも奥の土間の鉄板で自分で作る「じじ焼き」の方をよく食べた記憶がある。小学生の3年や4年時分だったと思うが、友達が変わったせいか、わいわい言いながら食べた「じじ焼き」も5年生からはあまり食べず、別のおでんをメインとする駄菓子屋さんに縄張りを替えたように思う。
当時愉しんでいた「じじ焼き」は、10円か15円くらいだったように思うが、どうだろう・・・。本格的なお好み焼き屋さんの子供相手のメニュー(その店は3時位までは子供向けに別メニューで解放されていた)では、確か50円だか80円だかのものがあり、キャベツや桜えび、さらにタマゴも入っていたように思う。
(今から40年近い昔であり、同じ頃に、餃子やラーメンが100円の店があった。)
その頃から「じいさま」の「じじ」焼きと思っていたが、「もんじゃ」は子供に文字を教えた文字焼きが転じたと「散歩の達人;都電荒川線完全案内」に記載されている。そうしてみると、ふるさと前橋の「じじ焼き」も「字々(もじの幼稚語)」焼きであったのかも知れない。
「きくや」さんでは、水で溶いた小麦粉に
キャベツ、青海苔、揚げ玉、紅しょうががベース
それに切イカをくわえたものが切イカもんじゃ。
(なんと、350円の低価格だ)
ちなみに味は着けられておらず、
ソース、塩、コショーなどでの味付けは自分でする。
「あらかわ遊園」で下車して愉しんだ後は、次の目的地「町屋(まちや)」へ向かう。
「もんじゃ焼き」への私の感激振りに、家人が「この際、もんじゃを<はしご>しよう」と提案したためだ。
町屋へ行けば、一杯100円の店があるらしい。まだ見ぬ町屋の街並みが私にはパラダイスに思えてきた。こうなると、小雨でも俄然元気が出てくる。町散歩は、やはり「食べ歩き」ですよ、と快哉を叫びたくなってくるのであった。
町屋のもんじゃ焼き、「信八屋」さん
「町屋(まちや)二丁目」で下車して、迷った末にやっとたどり着いたのは、「信八屋」さんという昔ながらの「もんじゃ焼き」屋さんだ。先の「きくや」さんが駄菓子を売っているのと違い、こちらはまったくの「もんじゃ」専門だ。鉄板があるので「やきそば」も可能ではあるが、駄菓子の類はなく、お店の造りは料理屋のものだ。
どの「もんじゃ」も驚くべき値段で、「切イカ」、「チーズ」各150円と、20年間値上げ無しの100円もんじゃの「ねぎ焼き」をお願いした。女将さんと話してみると、元々この店は子供相手のもんじゃ焼き屋だったが最近はやってくる子供自体が居なくなってしまったとのことで、今では大人の寛ぎの空間になっているようだ。値段もそうだが、内容も昔ながらの作法を守っているとの事で、こういう「味の昔ながらのもんじゃ」はもうなくなってしまったらしい。
情報誌やテレビの紹介で、かなりの遠方からも来客があり、それが商売を続ける励みだと言っていたが、いかにも下町の雰囲気で寛げるからリピーターも多いのだと思う。私も多分、今年中にまた行くと思う。
「チーズもんじゃ」
こちらのもんじゃは、すでに味が着いている。、
だから、ソースなどは使わない。
はじめてなのだが、なんだか懐かしい味がした。
「切イカもんじゃ」
「ねぎもんじゃ」
「チーズ」「切イカ」「ねぎ」と3品の
もんじゃ焼きを楽しんで焼き、
ジュース、昔の味のするレモンサワーまで愉しんで、
1,000円札で200円近いおつりが来る。
とても、信じられない値段だ。
「ゆうゆう都電」をお土産に
「都電小町」や「ゆうゆう都電」というお土産向きの和菓子を買って、町屋を後にして最初の目的地である三ノ輪(みのわ)へ向かうことにする。
都電荒川線は路面電車だ。路面電車は「ちんちん電車」とも呼ばれるが、それは、下の写真のベルが停車場に近づくと「チン♪チン♪」と小気味良く鳴るためだ。
レトロな塗装の、美しい特別車両もたまに走っている。この車両は型式が<9001>なので最新の電車だが、勿論、古い車両達も健在だ。
三ノ輪では、
ターンテーブルによる車両の切り替えはなく、
やってきたそのままの状態で
進行方向が入れ替わる。
(ひとつの車両に
運転席が前と後ろ両方にある)
すかさず、焼き鳥を購入
さて、「ジョイフル三ノ輪」と愛称が着いたアーケードの商店街を散策する。
ここでも食べ歩きが主だが、何軒かの焼き鳥屋さんがあるらしいのでそれを楽しみにしていた。早速、アーケードの入り口近くにある店頭に並ぶ焼き鳥に釘付けだ。トリ、砂肝、ナンコツ、広島産のカキ串を買う。焼き鳥は「たれ味」だけだったが、どれも美味しい。
特に満足したのは「カキ串」だ。カキがボリュームたっぷりの大振りで、こちらも美味しかった。
広島産のカキの串焼き。大振りですこぶる美味しかった。
砂場の本店
最初の焼き鳥から、アーケードを半分近く進むと「鳥喜」という焼き鳥屋さんがある。
当然、ここの焼き鳥も試したが、こちらは日向地鶏(ひゅうがじどり)と普通の鳥とが同じ状態で並んでいる。地鶏はさすがに3割ほど高くなるが、それでも130円程度だ。ししとう、若鶏、砂肝を試す。日向地鶏といえば、今をときめく宮崎産だ。良くテレビで知事がお土産にしている、あれだ。
この焼き鳥店も、「たれ味」であったが、幸い薄味なので焼き鳥本来の味が引き立っていた。
昔ながらのコロッケパンやハムかつパンなど
色々なパンを売っている店があった。
コロッケパンを家人が買ったが、
ひとりで食べてしまったので味はわからない。
独り占めしたところから考えると
多分おいしかったものと思う。
そのお店、「大村パン」では
焼きそばパンとコロッケパンが名物らしい。
米沢牛(よねざわ・ぎゅう)ではなく、「米沢豚」と言う張り紙が目に入った。串かつだ。コロッケやサラダなどの惣菜も並んでいるが「食彩三華」という名の山形牛屋さんだ。
元は牛肉専門店だろうが、手広く惣菜を売っているようだ。早速、串かつを買い、お願いしてソースをつけてもらった。コロッケなどは、お願いするとウースターソースを掛けてくれる店があるが、この店はおたふくソースのような香りのある濃厚な中濃ソースを掛けてくれた。串かつのしつこさが消えて、よく合うソースであった。
ソースの印象が強いが、勿論、肉はふんわりと柔らかくこくがあって美味しかった。
三ノ輪を後にし、町屋駅まで戻って、そこにある「小林」という煮込み・もつ焼き屋さんへ行くことにする。
先の特集号では、串煮込み(350円とリーズナブル)や煮込みタマゴ、つけ麺などが紹介されている。つけ麺の付け汁は煮込み料理の汁であり、味に期待が湧いてくる。
先ほど降りたのは「町屋二丁目駅」だったので、「町屋駅」へは降りていない。降りてみると、町屋の街並みはフランチャイズのチェーン店が並ぶ普通の商店街で余り面白みが無かった。早速、目的の煮込み料理屋へ向かうことにする。
見つけた店舗は、残念なことに「本日休業」であった。日曜・祭日は休業、との記載を見落としたのだ。
仕方が無いので、駅に戻って近くを探検することにしたが、駅前に今川焼きの小さな店を見つけた。いや、この店は掘り出し物で、歩き疲れの状態での甘い味のせいかもしれないが、粒餡が美味しく、あとをひく味であった。
「あらかわ遊園」の通りの駄菓子屋さんでの「がっちり買いましょう♪」の戦利品を紹介しよう。
私が買ったのは、「柿の種(ピーナツ入り」と懐かしさに思わず手にとってしまった「切符セット(新幹線の乗車切符と特急券、回数券と昔カシャカシャいじった覚えがある切符切りのはさみ、がセットされている)」、それにこの「かたぬき」の3品だ。
子供の頃、運動会の後や縁日で悔しい思いをいつもしていた代物だ。一度としてうまく抜けたことが無い。必ず、あと一息というところで、足や首やくちばしが折れてしまうのであった。
これは、デザインの違う型が何枚かが入っていて、縁日での型抜きが自宅でもそのまま楽しめるもの。
写真のイチョウは子供が抜いたものだが、私も何枚か試したが、すべて失敗してしまった。何十年たっても、<手わざ>に進歩が無い自分が、ほんの少し腹立たしくなった。
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