輝く稲穂に溢れる田の中を抜けると、また集落が始まる。そしてその集落の中央に、目指す「海士有木(あまありき)駅」がある。
さいたま市では、珍しくなってしまった踏み切りを越えると、そこがもう駅舎だ。(ちなみに踏切には遮断機がなかった。)
駅舎に着くと、ちょうどJR五井駅へ向かう列車が間近に来るところだった。待合室では居眠りをする人が幾人かいたが、その人たちは、列車がきても起き出しはしなかった。のんびりとしたものだ。線路沿いは風の通り道らしく涼しかったので、ひょっとすると、あの人たちは列車に乗るのではなく暑い日を爽やかな風に満ちた駅舎で涼んでいたのかも知れない。
列車と書いたが、それは連結されておらず、一両の状態でやってきた。電気ではなくディーゼルなので、電車でもない。英語でいえば、列車の一両(車両)はCARだが、日本語ではなんと言うのだろうか?
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