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今は政令指定都市「さいたま市中央区」になったが、<三市(後に岩槻市を含めて四市)合併>前の大宮、与野、浦和を跨いで流れているのが、霧敷川(きりしきがわ)だ。
川の始まりの状況は良く分からないが、北与野駅までは、その様子はまだまだ小川にすぎない。
単なる小川だったものが、「与野本町」駅くらいから大きな川へ変化し、駅から先の流域では、凶暴な都市河川となってしばしば氾濫して床上浸水などの被害をもたらしている。
普段の、大宮から与野までの小川としてのこの川は、そんな濁流として流れる凄まじい姿など、とても想像できないほどに穏やかなものだ。
土手 ―川自体が路面から掘り下げられているので本来の意味での川土手は無い― のすぐ横に細い道が岸の両側あるいは片側に通っていて、川沿いを散歩する事が可能だ。
そこでは、白サギが休んでいたり、流れの中で鴨がゆったりと浮いていたり、信じられないほどの大きさの鯉がのんびりと泳いでいたりする。
霧敷川は花咲く小川の主役であるが、実は与野には、新国道脇を流れるもうひとつの小川がある。
こちらはずっと小川のままで、中浦和駅あたりで先の霧敷川に合流する。
スケッチは、与野駅辺りのそうした新国道脇の小川で見事に咲くキハナショウブの様子を写したものだ。
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